公正証書遺言の立会人の5つの条件|理想的な立会人の探し方とは
- 投稿日
- 最終更新日
- カテゴリ
- 公正証書遺言について
「公正証書遺言には立会人が必要って聞いたけれど本当なのだろうか?」
「そもそも立会人ってどんな人に頼めばいいの?」
あなたは今、公正証書遺言の「立会人」のことがよくわからずお困りではないでしょうか?
結論からお伝えすると、公正証書遺言の立会人とは、公正証書遺言を作成する際、作成の場に必ず同席しなければならない「証人」と「公証人」、場合によっては「医師」等のことを指します。
日本公証人連合会では、「証人」と「公証人」について次のように説明しています。
証人とは
公正証書遺言をするためには、遺言者の真意を確認し、手続が適式に行われたことを担保するため、証人2名の立会いが義務づけられています。
引用:日本公証人連合会「3 公正証書遺言の作成」より抜粋
公証人とは
公証人は、国家公務員法上の公務員ではありませんが、国の公務である公証作用を担う実質的な公務員です。(中略)
公証人は、原則として、裁判官や検察官あるいは弁護士として法律実務に携わった者で、公募に応じたものの中から、法務大臣が任命しています(公証人法第13条)。
引用:日本公証人連合会
公正証書遺言を作成する当日は、上記で述べたような「証人(2名)」が遺言者自身と共に同席し、「公証人」がきちんとした法的手続きのもと、公正証書遺言が作成できるよう進行しますが、このうち「証人(2名)」については、原則として、遺言者自らが用意しなければなりません(例外的に、公証役場に相談すれば弁護士等の専門家を紹介してもらえる場合もあります)。
しかし、この「証人(2名)」は誰でもなれるというわけではなく、条件を満たした人でないと「証人」として認められないため注意が必要です。
そこで今回の記事では、公正証書遺言における立会人を「証人」と定義し、どんな条件の人が「証人」になれるのか、またご自身で「証人」を探せなかった場合、どのように見つければいいのかについて解説していくことにします。
さらに、「証人」にかかる費用や、実際「証人」を依頼することで生じるトラブル事例なども合わせてご紹介していきますので、ぜひお役立て下さい。
この記事でわかること |
---|
・公正証書遺言の立会人「証人」とは ・立会人になれない人5つの条件 ・立会人の見つけ方 ・立会人へ支払う費用相場 |
この記事をお読みいただければ、公正証書遺言における立会人とは何かがわかり、立会人をどのように選べばいいのか、また、いくらぐらいの費用がかかるのかについて理解していただけるでしょう。
さっそく見ていきましょう!
1.公正証書遺言の立会人とは
冒頭でもお伝えしたように、公正証書遺言の作成に係る「立会人」とは「証人」および「公証人」のことを指します。
「証人」と「公証人」のうち、「証人」については、原則として遺言者自らが用意しなければなりません。「公証人」については、「公証役場」にいらっしゃるので、面識がなくても全く心配いりません。
なお、過去に関わったことがあり、遺言者の希望があれば、特定の公証人を「指名」することも可能です。公証人も「人」ですので、「合う・合わない」や、説明が丁寧かどうか、威圧的なのか気さくで相談しやすいかなどの差が少なからずあるものです。
遺言者は「証人(2名)」を誰かに依頼することになりますが、その前に、一体「証人」とはどういうものなのか、当日はどのような役割を果たしてもらうのかについて、しっかり知っておく必要があります。
詳しく見ていきましょう。
1-1.公正証書遺言の立会人とは主に「証人」を指す
公正証書遺言の立会人について、今回は主に「証人」に限定して説明していきます。
「証人」とは、公正証書遺言を作成する場に同席し、法的な手続きに則って公正証書遺言がきちんと作成されたかどうかを見届ける役割があります。
遺言当日には、遺言者本人から公証人に対し、証人2名の前で、遺言の内容を改めて口頭で告げていただきます。
公証人は、それが判断能力を有する遺言者の真意であることを確認した上で、前記3の確定した遺言公正証書(案)に基づきあらかじめ準備した遺言公正証書の原本を、遺言者および証人2名に読み聞かせ、または閲覧させて、遺言の内容に間違いがないことを確認してもらいます(内容に誤りがあれば、その場で修正することもあります。)。
遺言の内容に間違いがない場合には、遺言者および証人2名が、遺言公正証書の原本に署名し、押印をすることになります。
引用:日本公証人連合会「3 公正証書遺言の作成 Q4.公正証書遺言は、どのような手順で作成するのですか?」より抜粋
上記で触れている通り、公正証書遺言の作成当日、「証人」が果たすべき仕事は以下の通りです。
証人の役割(公正証書遺言を作成する当日)
①遺言者が公証人に口頭で告げる遺言内容を聞く
↓
②証人が読み上げる遺言公正証書(原本)を聞く、もしくは閲覧し、遺言者が告げた内容との間に間違いがないか確認する
↓
③間違いがなければ(又は修正が完了したら)、遺言公正証書(原本)に(遺言者と共に)署名・押印する
参考:日本公証人連合会「3 公正証書遺言の作成 Q4.公正証書遺言は、どのような手順で作成するのですか?」より抜粋し、一部補足のため加筆
このように、「証人」は公正証書遺言に誤りがないかどうかをきちんと確認し、すべて正しければ署名・押印をします。
そしてこの「証人」は、一定の条件を満たした人のみが務めることを許されています。
「証人の条件」については、「2.立会人になれない人の5つの条件」で詳しく述べていますので、のちほどご確認下さい。
上記をご覧いただくと、公正証書遺言の作成において、「証人」はとても重要な立場であることがおわかりいただけるでしょう。
1-2.公証役場では証人は2名必要
公正証書遺言の作成には、以下の通り、2名「以上」の証人が必要だと民法で定められています。
(公正証書遺言)
第九百六十九条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人二人以上の立会いがあること。
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
しかし公正証書遺言作成の実務の現場では、証人は「2名」であることがほとんどです。「以上」とありますので、3名でも4名でも良いこととなりますが、3名以上の証人の立ち合いをもって作成された遺言書には、筆者自身は遭遇したことがありません。
ちなみに、公正証書遺言を作成する際は、上記で挙げた2名の証人のほかに、(当然ながら)職務を行う「公証人」1名が同席します。そのため、合計4名(=公証人1名+遺言者本人1名+証人2名)が作成時の登場人物となります。
もっと詳しく説明しますと、遺言者の自宅や病室等で作成するときは、公証役場から連れてきた事務員(書記)も、公証人の先生の職務を補佐するために、「事実上」同席することとなります。
また、民法には、以下のような例外もあります。
筆者(行政書士法人エベレスト代表社員野村篤司)は10年以上公正証書遺言の作成支援に関わった実績がありますが、この事例にも携わったことがありません。
医学的な知識は筆者にございませんが、「一時回復した時」というのが医学的にどれくらいあり得るのか疑問です。
成年被後見人は、事理弁識能力を「欠く常況」にある場合に審判が下りるので、そのような状態から「一時回復」し、かつ公正証書遺言の作成をするという事例に遭遇したことがありません。
非常に珍しいケースであると言えるでしょう(※条文上「ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。」とありますので、一時回復した場合の公証人の関与が排除されているというわけでもないです)。
(成年被後見人の遺言)
第九百七十三条 成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。
2 遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。
改めてまとめると、公正証書遺言を作成する当日は、公証役場に以下3者が揃うことになります。
・遺言者
・証人2名
・公証人
万が一、「条件を満たした証人を2名も探せない!」という遺言者がいらっしゃっても、心配いりません。
証人の探し方については、「3-2.立会人(証人)の見つけ方」で詳しく述べていますので、ぜひ参考になさってみて下さいね。
2.立会人になれない人の5つの条件
公正証書遺言の立会人(=証人)は、「法律の専門家」でなくとも一般の方でもなれます。
しかし、立会人になるには、以下5つの条件にあてはまる必要があります。
①未成年者ではないこと
②推定相続人ではないこと
③遺贈を受ける人ではないこと
④推定相続人および遺贈を受ける者の配偶者および直系血族等ではないこと
⑤公証人の配偶者、四親等内の親族、書記、使用人ではないこと
詳しく解説していきましょう。
2-1.未成年者ではないこと
未成年者(18歳未満)は証人になれません。
なぜなら、未成年者は公正証書遺言の内容を十分に判断できる能力がまだないとみなされるからです。
そのため、証人を探す際は、必ず相手が18歳以上になっているかをきちんと確認して依頼するようにしましょう。
万が一、公正証書遺言を作成した後で、証人が未成年であったことが発覚した場合、公正証書遺言は「無効」になります。せっかく時間をかけて準備しても、水の泡になってしまいますので、必ず事前に相手の年齢についてはきちんと確認しておきましょう。
なお、公証役場には、遺言作成当日までに「証人(2名)」の「身分証明書」等を提供する必要がありますので、公証役場側で、きちんと生年月日から年齢を計算して、確認を行います。
万が一、証人が未成年であることを理由に公正証書遺言が作成されてしまうとしたら、公証役場側の確認ミス(過失)があると考えられる場合ぐらいですので、滅多にはありません。
年齢の確認方法
本人の生年月日が確認できる公的書類を確認してみましょう。公的な書類とは、以下のものを指します。
・旅券(パスポート)
・住民票の写し
・印鑑証明書
・運転免許証
・マイナンバーカード
・健康保険被保険者証 など
2-2.推定相続人ではないこと
「推定相続人」も証人になることができません。
推定相続人とは、民法では、「相続が開始した場合に相続人となるべき者」をいうとされています。
例えば、遺言者の配偶者や子どもや孫(第1順位相続人)、子どもや孫がいない場合の直系尊属(父母や祖父母、第2順位相続人)、直系尊属も既にいない場合における遺言者の兄弟姉妹(第3順位相続人)などが「推定相続人」にあたります。
推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう)
引用:民法892条より抜粋
ちなみに、「推定相続人」という言葉は、遺言者がまだ生きている間に使用する言葉ですが、遺言者が亡くなり、実際の相続が発生した後では、「推定相続人」改め「法定相続人」と呼び方を変えます。
こうした遺産を相続する可能性のある人は、遺言に関して利害関係が生じるため、「証人」という公平な立場を保つことが難しいとみなされます。
そのため、公正証書遺言の証人にはなれないのです。
2-3.遺贈を受ける人ではないこと
遺贈を受ける人も、証人になれません。
遺贈とは、遺言者の遺言により、遺言者の財産の一部もしくは全てを「譲り受ける」ことを指します。
遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。
引用:民法964条「包括遺贈及び特定遺贈」より抜粋
遺贈を受ける人も、遺産相続に関して利害関係に深く関係してくるため、証人になることは難しいと判断されます。
そのため遺言者が証人を選ぶ際は、遺贈する予定の方は、リストから外しておきましょう。
2-4.推定相続人および遺贈を受ける人の配偶者および直系血族等ではないこと
以下の方も証人にはなれません。
●推定相続人の配偶者及び直系血族
●遺贈を受ける人の配偶者及び直系血族
上記にある「直系血族」とは、遺言者の直系にあたる身内、つまり遺言者の「父母」「祖父母」「高祖父母」「子ども」「孫」「ひ孫」などになります。ちなみに、遺言者の兄弟や甥姪は「傍系血族」になりますので、推定相続人ではなく、受遺者になっていなければ、証人になることが可能です。
つまり、推定相続人や、遺贈を受ける人と近しい存在である家族や親族も、証人として認められないのです。
このように考えると、近い親族や家族のほとんどが証人になれないことがおわかりいただけるでしょう。
家の事情をある程度さらけ出せて、腹を割って相談できる存在として、親族や家族は大変貴重な存在ですが、証人として依頼できないとなると、適切な証人探しが難しいことがわかります。
2-5.公証人の配偶者、四親等内の親族、書記、使用人ではないこと
公証人の配偶者、四親等内の親族、書記、使用人についても、公正証書遺言の証人になることはできません。理由は、公証人に近い立場にいるため、公平性を欠くことになってしまうからです。
なお、これらに該当するか否かは公証役場(公証人)が確認することとなりますので、遺言者本人が気にする必要はないと言えます。遺言者が偶然連れてきた証人が、これらの関係性になること滅多にないのではないでしょうか。
以上が、「証人(又は立会人)になれない人」です。ここまでのまとめとして、民法の該当条文を確認しておきましょう。
(証人及び立会人の欠格事由)
第九百七十四条 次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
証人選びをする際は、こうした条件を慎重に確認して、ルールに則った人選を行いましょう。
3.実は立会人探しに苦労している人は多い
公正証書遺言の立会人(この記事では『証人』)を探すのに、苦労している遺言者は、実はたくさんいます。
どうして立会人(証人)探しはそんなに大変なのか、その理由と、立会人の見つけ方についてこの章では解説していくことにしましょう。
3-1.立会人(証人)を見つけるのが難しい理由
立会人を見つけるのが難しい一番の理由は、推定相続人を立会人にできないからです。
さらに、推定相続人だけでなく、遺贈を受ける人、推定相続人&遺贈を受ける人の配偶者および直系血族など、最も頼みやすい子どもなどに、立会人を依頼できないのが難しいと感じる点でしょう。
そのため、家族・親族以外に、遺産の状況や家庭内の事情などをさらけ出せる相手を見つけ出すのが難しく、立会人をなかなか決めることができない状況があります。
(親族が「推定相続人」自身や「推定相続人の配偶者および直系血族」に該当しないのであれば、当然立会人を依頼することは可能です。)
もちろん、信頼関係のある知人や友人などがいる遺言者にとっては、知人・友人に立会人を依頼できるため、このような悩みはないかもしれません。
しかし、人によっては長年親交のある知人・友人とはいえ、プライベートな情報をすべて包み隠さず伝えることに抵抗を感じる遺言者もいます。
こうした状況から、立会人探しに苦労する方が多く出てしまうのです。
3-2.立会人(証人)の見つけ方
そんな中で、立会人(証人)を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか?
ここでは、以下2通りの見つけ方をご紹介します。
・公証役場に依頼する
・信頼できる友人
・知人に依頼する
1つずつ解説していきましょう。
3-2-1.公証役場に依頼する
公証役場に証人の紹介を依頼することができます(但し、有料となります)。
公証業務を行っている日本公証人連合会でも、以下のように述べています。
万が一、あなたが公正証書遺言を作りたいにもかかわらず、立会人を探すのが難しいと感じているようであれば、実際に公正証書遺言を作成する予定の公証役場に相談してみましょう。
なお、筆者の経験では、「公証役場からは特定の人物を証人として紹介できません」と言われたこともあります。公証役場によって異なるのかもしれませんが、素直に聞いてみると良いでしょう。
ちなみに立会人の紹介には、費用が掛かります。この点も、紹介を依頼する際に確認すると良いでしょう。
詳しい費用内容は、「4.立会人(証人)には「数千円~数万円ぐらい」包むのが一般的」にてご紹介しています。
ぜひあわせてお読み下さい。
3-2-2.信頼できる友人・知人に依頼する
信頼のおける友人・知人に依頼するのも1つの方法です。
但し、前章でも述べたように、公正証書遺言のための立会人となると、遺言内容を一緒に確認して、誤りがないかをチェックする仕事になります。
そのため、遺言書の記載内容によっては、かなり財産内容や親族関係などの深い家庭内の事情を相手に知られることになり、いくら親しいとはいえ、抵抗を感じる遺言者も多いのではないでしょうか。
それでも、きちんと依頼できる友人・知人がいるのであれば、彼らに立会人を依頼するのはもちろん可能です。
3-3.専門家に公正証書遺言のサポートを依頼している場合は、証人も依頼できる
専門家(行政書士や弁護士など)に立会人を依頼することももちろん可能です。
専門家であれば、公正証書遺言の作成業務に長けているため、立会人としてスムーズに仕事をこなしてくれるでしょう。
なによりも信頼できるのは、職業柄、秘密厳守を当然としている(法律上の義務とされている)点です。
また専門家によっては、公正証書遺言の作成サポートとセットで、「立会人(=証人)」として同席するサービスも提供しています。また、遺言シェルパ名古屋(行政書士法人エベレスト)のように、日当交通費は発生するものの「証人だけ」を担うサービスを提供している専門家の方もいらっしゃいます。例えば「行政書士」は「行政と国民の橋渡し」が役割の1つですので、気軽に依頼してみてもよいでしょう。
専門家に証人を依頼することのメリットについては、「6.公正証書遺言の立会人(証人)で、気苦労や情報漏洩等のトラブルを起こさないためには、「専門家に依頼する」のがベスト」で詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてみて下さいね。
4.立会人(証人)には「数千円~数万円ぐらい」包むのが一般的
立会人(証人)を依頼した際は、公証役場からの紹介であれ、専門家へ直接依頼であれ、「費用」が発生します。
友人・知人の場合は、特別な関係性から、費用が発生することはないかと存じますが、大変な役割をこなしてくれたことへのお礼の気持ちとして、謝礼を用意することが多いものです。
そこでこの章では、それぞれにかかる費用目安について、詳しく見ていくことにしましょう。
ぜひ参考にして、証人にかかる費用として把握しておきましょう。
4-1.公証役場で依頼した場合
公証役場で証人を依頼した場合の費用目安は、以下の通りです。
証人1名につき、約6000~7000円の費用がかかります。
但し、上記費用は公証役場によって変動する可能性があります。
正確な費用は、遺言者が実際にやりとりする公証役場(原則としてお住まいから最も近い公証役場)へお問い合わせ下さい。
4-2.友人・知人に依頼した場合
友人・知人に立会人を依頼した場合は、特別な関係性があることですし、事業として証人になってくれるわけではないと考えられますので、その意味では原則として費用はかかりません。
しかし、責任ある役割を依頼することや、公正証書遺言の作成当日は、現地に足を運び同席してもらう負担を考え、多くの方が「謝礼」を用意します。
謝礼の目安は、法律で決まっているわけではございませんが、以下の通りです。
費用目安の幅がありますが、友人・知人との関係性や立会人になることで生じる負担の大きさに応じて、具体的な金額を検討する際には、
①当日の往復の移動時間と作成に係った時間
②平日か休日かどうか
③交通手段やその経費
④心理的な負担
⑤これまで相談に乗ってもらっていたかどうか
など様々な観点から考えてみると良いでしょう。
4-3.専門家に証人を依頼した場合
専門家(行政書士や弁護士など)に証人を依頼した場合の費用目安は、下記の通りです。
専門家に依頼する場合は、証人1名につき7000円~15000円程度となります。
特に専門家の場合は、上記のように「証人のみ依頼する場合」もありますが、公正証書遺言の作成サポートの中に、すでに証人となることが組み込まれているサービスメニューもあります。
それぞれの事業所によって、サービス内容や費用が変わってきますので、上記はあくまでも目安とし、ご自分が依頼する予定の専門家に、改めて問い合わせてみることをお勧めします。
なお、「遺言シェルパ名古屋」を運営する「行政書士法人エベレスト」では、証人1名当たり税込5,500円(証人2名で合計税込11,000円+実費往復交通費)となっています。
当日の往復移動時間や当日の対応時間を考えますと、3時間程度は係るものです。仮に「時給1200円」で換算したとしても、3,600円ほどの人件費がかかっているわけですので、「遺言が無くて困る方を少しでも減らしたい」という想いがあるからこその低料金ではないかと自負しています。
6.公正証書遺言の立会人(証人)で、気苦労や情報漏洩等のトラブルを起こさないためには、「専門家に依頼する」のがベスト
前述のとおり、「証人(又は立会人)になれない人」は限定的ですので、親しい友人や知人に対して証人になってもらうように依頼することができます。証人の年齢制限や年収などの要件もありません。
しかし、証人2名に対して、いくらの謝礼を用意したらいいかや、遺言の内容が1字1区見られてしまう不安が少しでもあるのであれば、行政書士や弁護士などの「専門家」に依頼することをお勧めします。
中でも「行政と国民の橋渡し(きずな)」を使命としている「行政書士」であれば、一般的に訴訟業務を主戦場としている「弁護士」に比べて公正証書遺言の作成支援に係る費用や証人2名の日当についてもリーズナブルであることが期待でき、さらに、以下2つの対応で公正証書遺言の作成をしっかりサポートできます。
・公正証書遺言について遺産整理の実務経験を加味したアドバイスが可能
・守秘義務があるため遺言が漏えいすることなく安心
1つずつ見ていきましょう。
6-1.公正証書遺言について遺産整理の実務経験を加味したアドバイスが可能
公正証書遺言の作成にあたり、「遺産整理の実務経験」を加味した遺言書の記載方法のアドバイスができます。
多くの行政書士は、公正証書遺言の作成サポートはもちろん、相続後に発生する様々な金融資産等の相続手続きについて豊富な実務経験があるため、遺言者の様々な状況や作成意図を把握し、公正証書遺言に盛り込むべき内容(記載の仕方)を、公証人の確認や意見も伺いながら、遺言者と共に1つずつ表現を整理していきます。
特に、相続人の数が多かったり、複雑な家族関係を抱えている場合、遺産相続についての情報がすべて網羅できず、一部抜け落ちてしまう可能性もあります。
そんな時でもプロとしての視点で、公正証書遺言に記載すべき情報をきちんとまとめて、ミスのないようしっかりサポートしていきます。
遺産整理実務の経験が豊富だからこそ、「円滑に手続きが出来る公正証書遺言」の作成にお力添えすることができる専門家の一人と言えます。
6-2.守秘義務があるため遺言が漏えいすることなく安心
行政書士には、「行政書士法」上、秘密保持の義務(守秘義務)があるため、大切な遺言内容が漏えいすることなく、法的な義務のない方々と比較すると安心です。
いざ遺言者が立会人(=証人)を選ぶ場合、公正証書遺言の内容を第三者に知られてしまう不安が大きいのではないでしょうか?
その点行政書士や弁護士などの国家資格者を立会人(証人)に選べば、守秘義務契約を個別に締結する必要性もなく、法律上当然に守秘義務があるため、決して遺言内容が外に漏れることはありません。
安心して、公正証書遺言の作成を進めていただけます。
7.まとめ
今回は、公正証書遺言の立会人についてご紹介してきました。
公正証書遺言の立会人とは、「証人2名」と「公証人」、場合によっては医師等のことを指します。
しかし、この記事では「立会人=証人」という定義で解説しました。
なぜなら、公証役場に常駐している「公証人」と違って、「証人2名」は遺言者が用意しなければならず、さらに「証人」の選び方には法的ルールがあり注意が必要なため、遺言者の悩みが大きく、相談も多いためです。
記事の中では、「立会人(=証人)」になれない人の5つの条件として、以下の通りご紹介しました。
①未成年者(18歳未満)ではないこと
②推定相続人ではないこと
③遺贈を受ける人ではないこと
④推定相続人および遺贈を受ける人の配偶者および直系血族ではないこと
⑤公証人の配偶者、四親等内の親族、書記、使用人ではないこと
上記条件に満たない方が証人になってしまった場合、せっかく作成した公正証書遺言が無効になってしまう恐れがあります。
また記事の中では、立会人の見つけ方として次の3通りの方法と費用についても触れました。
①公証役場に依頼する
費用:証人1名につき約6000~7000円
②信頼できる友人・知人に依頼する
費用:原則費用なし。謝礼相場として証人1名につき数千円~数万円
③専門家(行政書士や弁護士など)に依頼する
費用:証人1名につき約7000~15000円
どなたに依頼するかによって、費用も異なってくることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
本記事を参考に、ぜひ条件を満たした立会人を探してみて下さいね。
もしなかなか見つからない場合は、遺言シェルパ名古屋を運営する「行政書士法人エベレスト」にお気軽にご相談ください。
皆様からのご相談をお待ちしております。最後まで、本記事をお読みいただき、ありがとうございました。